2018年中小企業診断士 1次試験 経営情報システム 第22問をわかりやすく解説

一次試験対策として、過去問をベースに解説と難易度判定を書きたいと思います。
尚、難易度については私の所見であり、診断士協会の公式な評価等ではありません。
それでは、22問目いってみましょう。

【問題】
A 社では、BAC(Budget at Completion:完成時総予算)が1,200 万円の情報システム開発プロジェクトが進行中である。昨日進捗を把握したところ、
AC(ActualCost:コスト実績値)が800 万円、EV(Earned Value:出来高実績値)が600 万円となっていた。
このままのコスト効率でプロジェクトが進んでいくと、完成した時にどれくらいのコストがかかると予想できるか。最も適切なものを選べ。

[解答群]
ア 1,200 万円
イ 1,400 万円
ウ 1,600 万円
エ 1,800 万円

【正解】


出典:一般社団法人 中小企業診断士協会ホームページ 試験問題ページより

【解説】
<所見>
EVM(アーンドバリューマネジメント)の基本的な知識を問う問題です。

用語の意味さえ正しく理解していれば、解答は単純な算数の問題になりますので、是非得点したいです。

<難易度>
C(易しい)

<解説>
EVMはプロジェクトの進捗とコスト消費を同時に把握でき、かつ定量的に管理できる方法です。
実際のプロジェクトで使えるものを作って運用するのは大変ですが、考え方自体はシンプルでわかり易いです。

PV(Planned Value):出来高計画値
プロジェクトの一定時点での計画出来高をコストに換算して数値化したものです。
出来高とはプロジェクトの成果物のことです。
システムなら、設計書がどこまで作成できているか、プログラムがどこまで作成できているか、などが出来高になります。
プロジェクトでは、「いつまでに」、「どの様な成果物を」、「いくらのコスト以内で作成する」、という計画を作成します。
この計画値はPVということになります。
当然ですが、プロジェクト終了時点で予定の出来高が全て出来上がることになります。
よって、プロジェクト完了時点のPV=BACとなります。

AC(Actual Cost):投入実績値
プロジェクトの一定時点での投入コストを示したものです。
コストは、人件費だけではなく、プロジェクトの成果物を作成するために消費するもの全てを含めます。
パソコンをリースする、開発者分のライセンス費用なども考慮します。
一定時点でのACが計画値より大きければ予定よりコストを使い過ぎている、小さければコストを消費していない、という事になります。

EV(Earned Value):出来高実績値
PVと対になる数値ですね。
計画値に対して、プロジェクトの一定時点での実際に出来上がった成果物の実績値です。
計画値より大きければ進捗は予定より良い、小さければ悪いという事になります。

本問では、BACが1200万円と予定されており、確認時点でACが800万円、EVが600万円となっています。
ACが800万円であれば、EVも800万円でなければ、プロジェクトとしては遅れているか、スケジュールは守れていたとしても、コストを使い過ぎているという事になります。
※今回は確認時点でのPVは示されていないので、進捗に関しては不明です。

完成時の予想コストを求めるために、問題文の指示の通り「このままのコスト効率でプロジェクトが進んでいくと」という前提で計算します。

これで、比例の要領で解けてしまいます。

800万円消費して600万円分の成果物を作成できるという事は、予定に対して800/600のコスト消費が発生するということになりますね。(仮にEVも800ならちょうど1になります)

あとは、完成時総予算にこの比を掛けるだけなので、1200×800/600=1600万円ということになります。

実際はコスト効率を評価する指標というのが存在します。
CPI(Cost Performance Index:コスト効率指標)といい、CPI=EV/ACで表されます。
この指標が1.0より大きければ、コストに対する成果物の作成は計画より良い。低ければ悪いということになります。

実際は、この逆数を掛けると本問の答えが出るという事になりますが、分かりにくいので、単純な比例計算で考えてもらったらOKです。

今日はここまで!

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